恐れながら願書をもってご訴訟申し上げます
一、当八月一日・二日の大満水によって、田畑はいうまでもなく、家屋敷・家財・食糧・衣類・種物・諸道具・糞・灰まで、残らず流失し、御役所より下された物も全くありません。もっとも、これ以前から困窮した百姓でした。当八月の大満水によっておびただしい田畑・家財が流失したので、鎌・鍬・諸道具を購入する代金がありません。そのため田地を開発するすべがありません。わずかばかりの田地ですので、今年の収穫は前々の補いになっていて、当暮れからは飢え、渇き命にかかわりますので、今年の収穫への課税は免除して下さるように(お願いします)。そうすれば大小百姓ありがたく存じます。