[翻刻]

 
あし田 母上様     小三郎      3
 
一ふで申し上げまゐらせ候
おひおひあつさにあい
なり候ところ みなみな様
おんさわりなくおんすまひ
遊バし おんめで度くぞんじ上げ
まゐらせ候 そののちハさぞさぞ
お日ながにおんくらし
遊バすべくさつ(察)し上げまゐらせ候
わたくし事どうちう(道中)
さわりなく四日めにて
江戸へつき そののちじゃう
ぶ(丈夫)にてくらし候まま 御あんど
下さるべく候 あに上さまも御
たちになり候よし あとハ
さぞおんこまりなさるべく
御さつし申し上げ候 四十九日
ニハ何か御くわし(菓子)にても
さし上げたくぞんじ候へども
あつきじぶんにてさし上げかね
候まま あまり御すくなく候
へども壱朱さし上げ候 くわし
おんそなへ下さるべく候 よふじ(用事)のみ
あらあら申し上げ候  かしく
 
五月二十八日   小三郎
ははうへさま
 
なをなをあつさ御よふじん(用心)遊バし
候よふ ぞんじ上げまゐらせ候 あねさまへ
よろしくねがひ上げまゐらせ候 たちの
せつはおんみたて下され おせんべつ
下され有り難くぞんじ上げまゐらせ候  かしく
 
参考
赤松小三郎 平忠厚-維新変革前後 異才二人の生涯-」(上田市立博物館編集・発行 平成12年)