蝦夷が島

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 北海道は古くは渡島(わたりしま)、あるいは越渡島(こしのわたりしま)ともいわれていた所である。ここに住む民族は蝦夷と呼ばれていたところから、近世に至っては蝦夷地とか、または蝦夷が島と称され、自らをアイヌと呼んでいた人々が住んでいた。このような蝦夷地の函館周辺の人々が、津軽海峡をへだてた本土方面の人々と交渉をもつようになったのはいつころからであろうか。いまそれを明らかにする文献はないが、両地をへだてる海峡はせまく、古くから往来があったことは、前編に述ぺたように古代出土の遺物から見て、ほとんど同じ文化圏に属していることによっても察せられる。