直捌制度

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 幕府直轄下の蝦夷地経営は、多分に国防的観点を前面に押し出し、松前藩政下の幣害の多かった商人による場所請負制度を廃止し、幕府自らが直接に経営する、いわゆる直捌制度をとったのである。従って従来請負人の手によって行われてきた、蝦夷地における住民(アイヌ)の撫育・介抱はもちろん、それによって生産された産物の交易集荷、流通の面に至るまでも、全面的に幕吏の手によって統制運営された。