工業の勃興

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 箱館における工業については、高田屋嘉兵衛の全盛時代、船舶の新造、修理などの事業が見られたが、同家の没落とともに廃絶し、その後わずかに辻松之丞の小造船所を残すだけとなっていた。しかるにこれがこの時代に入ると、開港時代を反映して再び造船が活発化したばかりか、いわゆる西洋型船舶の製造にうつり、そのほか新たに製陶、製瓦、製紙、機織などの事業が勃興した。