海産税・海関税

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 海産税、海関税は海関所(沖ノ口を明治2年10月に海官所と改称、翌3年12月更に海関所と改める)が収税を所管した税である。特に海産税は北海道の正租といえるもので、北海道における収税の大半を占めている。また海関税は、箱館戦争被害の復興が思うにまかせないとの伺書(「開日」)を受けて出され明治4年12月27日の太政官布告で、「人民物産繁殖、土地潤沢ノ為」ということで、明治5年から7年までの3年間課税が免除されている。しかしこの期間も港の維持に係る経費負担として港役(明治6年1月碇税となる)、船税は徴収された。その後海関税免除期間が終了したとき、政府はすでに港湾等での収税金徴収廃止を決めていたため、開拓使は開拓途上にある北海道は他府県と同様の税則を行うことは難しく、本来民費負担である費用も官費負担となっている費目も多いことを理由に、北海道産物原価の100分の4を出港時に徴収する出港税の創設を政府に申請(明治8年2月施行)、海関税に代えた。その目的は「全道堤防道路ノ修築又ハ賑給等専ラ人民興益ノ用ニ充ツヘキ為」ということで、この時海関所を船改所と改称した。