(4) 豊浦・大澗、女那川地区(調査期間‥昭和59年4月〜60年3月)

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 豊浦・大澗地区の調査線は、日浦と尻岸内漁業協同組合の境界線を基点とし、これより大澗漁港にかけて海岸線に沿って100メートル間隔で定点を設け、磁針方位で130度に15線を設定した。なお、第1線は日浦地区の第12線と重復する。同様に、女那川漁港の北端を基点として寄貝歌にかけて11線を設け(磁針方位120度)女那川地区とした。
 これらの調査線上にて汀線(又は漁港の防波提)を基点として25メートル聞隔に調査点を定めた。なお、調査点はおおむね水深20メートル(又は砂地帯)までとし、豊浦・大澗地区で283地点、女那川地区で138地点を定めた.これらの各調査地点において、スキューバ潜水により1×1メートルの方形枠を置き、枠内の微細地形の記録を行った。この地区では古武井、日ノ浜地区同様8つの底質型に類型化を行った。

図3-12

 図3−12はこれらの底質型に従って両地区の底質を模式的に表したものである。豊浦・大澗地区は1〜7線にかけて平磯が発達しており、その距岸距離は25〜100メートルとなっている。この地区の底質は1〜11線と13〜14線にかけては岩盤底の上に転石・玉石地帯が相互に存在し、11〜13線は岩盤底となっている。また、14線から女那川方向にかけては砂地帯が発達するが、ところどころに玉石地帯が分布する。女那川地区は豊浦・大澗地区と同様に1〜8線にかけて平磯があり、距岸距離は30〜130メートルである。底質は豊浦・大澗地区に比べて単純で、1〜6線のR型底質区と7〜11線のS型底質区におおむね大別される。しかし、Se型底質は3線−200メートル付近に、Sg型底質は4線上にパッチ状に広がり、さらに7、9、11線の距岸0〜150メートルに分布している。
 これらの模式図から両地区の底質別面積とその割合については、豊浦・大澗地区はR型が30.0ヘクタール(41.2%)を占めて最も広く、次いでSg型12.9ヘクタール(17.7%)、Se型9.9ヘクタール(13.6%)、S型7.6ヘクタール(10.4%)、S・Se型5.13ヘクタール(7.1%)と続き、その他は5ヘクタール以下であった。女那川地区をみると、R型が17.4ヘクタールの50.9パーセントを占め、次いでS型が13.0ヘクタール(38.0%)、S・Sg型が2.4ヘクタール(7.0%)であり、その他の底質型は1ヘクタール以下であった。このように両地区の底質型をみると、岩盤(R型)底質が全面積の約2分の1を占め、日浦地区に類似している漁場といえる。