大木系土器群は北海道独自の発展をし道南から道央に分布した口縁部から胴部に「たが状」に太い貼付文がめぐる余市式系土器群が誕生する。大安在B式、ノッダプⅡ式(第23図17~19)、余市式、静狩式(第23図12)・煉瓦台式(第23図13~16)、伊達山式(第23図20)などと呼ばれている土器群である。
海岸部に位置したこの時期の遺跡は貝塚を伴うことが多く、函館市の旧海岸線沿いに分布した天佑寺貝塚、湯ノ川貝塚や戸井町戸井貝塚はこの時期に形成されたものである。中国の青竜刀に形が似た、安山岩製の青竜刀形石器(第24図)と呼ばれる石器が出現するのもこの時期である。
第23図 中期末の土器(1~4、大木・榎林式、5~9、中の平Ⅱ式、10~11、最花式、12、静狩式、13~16、レンガ台式、17~19、ノダップⅡ式、20、伊達山式)
高橋正勝「北海道南部の土器」『縄文文化の研究4』雄山閣、1981
第24図 青竜刀形石器(八雲町栄浜遺跡)
『栄浜』八雲町教育委員会、1983