〈町村合併を考える〉

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 『広報えさん』(平成14年1月号~14年3月号)より
 
合併の歴史(平成14年1月号より)
 わが国は過去2回の大きな合併があった。1つは「明治の大合併」である。明治22年「市制町村制施行」に伴い、町村合併が推進され、全国7万1千余りの町村が5分の1に減った。もう1つは「昭和の大合併」である。これについては先にも述べたが、昭和28年の「町村合併促進法」と昭和31年の「新市町村建設促進法」により36年までに、市町村数は3千400までに減少した。その後、少しずつではあるが町村合併が進み、平成13年5月現在で3,224市町村となっている(昭和の大合併については先出参照)。
 なぜ今、合併なのか  町村合併が必要な理由として、国は次のことを挙げている。
①道路交通網やインターネットなど情報通信手段が発達し、住民の日常生活圏が拡大している。経済活動の広域化が進むことによって、今の市町村の区域を越えた行政サービスの提供が不可欠となる。
②市町村の自己決定・責任を原則とする地方分権が実行段階に入り、住民へのサービスの提供は、地域の責任で選択することが求められ、市町村の自立能力が必要になってくる。
③本格的な少子・高齢化社会を迎え、充実した福祉サービスに対応する行政体制が必要となる一方で、労働力人口が減少し町村の経済にも大きく影響してくるものと思われる。また、国や地方においても財政状況は厳しく、全体の借金は平成13年度で666兆円に達するものと見込まれ、国は、地方財源の柱ともいうべき地方交付税の見直し削減を実施しなければならない状態に追い込まれている。恵山町の場合も地方交付税は一般会計予算に占める割合が60%以上となっている。
 
合併の基準とは(平成14年2月号より)
①距離を基準  日常生活圏の距離を中心とする。年間を通して通行可能な路線を通行して、合併する市町村の役所間がおよそ40キロメートル、1時間程度で到着する範囲の市町村。
②人口規模  中核市への合体型(30万人超)・特例市への合体型(20万人超)・地域中心市形成型(10万人超)・合体市制施行型(4万人超)・体制整備型(A3万人~B1万人程度)
③①と②の組み合わせから  日常生活圏の形成状況(通勤・通学圏)・地方公共団体間の事務の共同処理の状況・国、道の機関の管轄区域・地域開発立法に基づき一体となって振興を図る地域のエリア・市町村の歴史的沿革など地域の結び付きなど
 これらの基準に基づき、北海道が作成した合併パターンでは、渡島管内は7パターンが示され恵山町の場合は、函館市・戸井町・恵山町・椴法華村・南茅部町の1市3町1村の中核市への合体型(30万人超)となっている。これはあくまでも基準に照らした案であって、これに従わなければならないものではないが、恵山町では町職員による合併検討会を設置し検討を始めている。
 
疑問に答える(平成14年3月号より)
疑問点① 役場が遠くなり不便になりませんか?
疑問点② 中心部だけよくなって周辺部はさびれませんか?
疑問点③ 住民の声が届かない、サービスが行き届かないのでは?
疑問点④ 各地域の歴史文化伝統などが失われませんか?
疑問点⑤ 市町村間の財政状況の差は?
疑問点⑥ 住民サービス水準の低下や公共料金の値上げなどは?
 いずれも合併する事により想定される疑問点で、これらについて懇切丁寧に答え(内容については省略する)「市町村合併を行ったとしても、現在の生活水準は保たれ、逆に1つの町でできなかったことが、『市町村合併』により実施できる可能性が高くなるなど、現在の生活水準向上も考えられると回答している。