明治期の農業

669 ~ 669 / 1483ページ
初期の作物『渡島国亀田郡尻岸内村政表』より 明治15年1月1日調
 明治12年から19年までの尻岸内村勢が現存する。その中で、上記、尻岸内村村政表(明治15年1月1日調べ)は報告書の体裁が整い内容も比較的詳細に記録されている。この村政表によれば、米は勿論であるが麦類も見当たらず、作付け面積の多い作物として、「雑穀類」粟・稗、「豆類」大豆・小豆、「芋類」馬鈴薯、「野菜類」蘿蔔(らふく)(だいこん)・胡瓜(きゅうり)・南瓜(かぼちゃ)・豌豆(えんどう)・豆工豆(ささげ)の栽培が記載されている。その他、蕎麦(そば)・蕪菁(かぶ)・麻(あさ)・茄子(なす)等も栽培されていた。また同表、草木の項には、梨(なし)・林檎(りんご)・葡蔔(ぶどう)の栽培、動物の項では、鶏・馬の飼育が記載されている。なお、葡蔔(ぶどう)については1,200本とあるが、これについては、他の果樹の数に比し極端に多いことから考え、在来種の山ぶどうではないかと思われる。