天候に恵まれた昭和8年の農業

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 農産物(生産額の多い順に)=馬鈴薯(18,557円)・大根(4,950円)・大豆(2,960円)・玉蜀黍(1,620円)・小豆(1,380円)・漬菜(1,253円)・米(987円 作付面積53反)・南瓜(968円)・葱(792円)・きゅうり(570円)・キャベツ(510円)・にんじん(468円)・いんげん豆(457円)・牛蒡(418円)・えんどう豆(372円)・その他、ながいも、蕪、蕎麦、桃、梅、梨、葡萄、繭の計(466円)農業総生産額、36,728円。
 この年の、水田の耕作面積は「5町3反歩」総収穫「57石・142.5俵」反当たりにして約2.7俵の収穫、当時の道内水田農家の平均的収穫の60%程度ということになり、将来に希望が持てたはずである。
 因みに農業と比較する上で、この年の主幹産業である漁業生産について若干触れておく。
 鰛(いわし)(241,920円)・昆布(120,050円)・いか(109,494円)・鱈(たら)(49,289円)。以上漁獲高の多いもので、漁業総生産額は550,287円、農業総生産額の凡そ15倍となる。これに、鰯粕・油・するめ等の水産加工品の総生産額485,082円を加えると1,035,369円で、農業の凡そ28倍という巨額となる。だが、昆布はともかく、鰯や烏賊(いか)が毎年獲れると約束されているわけではない、出稼者を集めたり高額の設備投資をしても、その年の気候、とりわけ海流に左右され水揚がゼロになる事もあり、いわば漁業は賭(かけ)なのである。