明治二十六年

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・二月一日 御真影・勅語の奉置方を各区郡役所及び学校に布達する。
・この夏、全道的に異常低温となり、農作物不作となる。
・八月 官報で小学校で祝日・大祭日に歌う唱歌用の歌詞と楽譜を制定公布する。この時儀式唱歌として制定されたものは、『君が代』・『勅語奉答』・『一月一日』・『元始祭』・『紀元節』・『神嘗祭』・『天長節』・『新嘗祭』などである。
・八月二十四日 昆布製造取締規則公布。
 昆布の粗製乱造があったため、これを取締るために昆布は生産地において、組合取締人の検査を受けるように義務づけられる。
・九月一日 大龍寺、寺号公称を認可される。
・九月 道南一帯に暴風雨襲来する。
・この秋、烏賊、鰮、椴法華村大漁となり、村内の景気頗る良好となる。
・十一月二十日 汐首燈台設置。
・十二月三十日 椴法華小学校聖影奉戴式を挙行する。この時の様子を明治二十七年一月十七日付の『北海道毎日新聞』は次のように報じている。
 
     ○椴法華小學校聖影奉戴式
   渡嶋國亀田郡椴法華小學校へ今回御聖影を下賜されたるに付戸長岩間勝從、総代人佐々木菊松、生徒父兄總代三石岩助の六氏奉迎の為め客〓二十日亀田郡役所に出頭し村内に於ては五名の委員を擧けて奉迎に係る諸般の準備を爲したり軈(や)がて同月二十九日同郡尻岸内村へ着御の報に接するや翌三十日午前二時三半船三艘を装ひ毎船國旗並に吹流を押立て特に御乗船には屋方を設け大國旗を交叉し周圍に紫色の幔幕を張り有志者父兄生徒等之れに乗り水夫六十名をして櫂を取らしめて同村迄奉迎し午前十一時海上隠かに椴法華村へ着御あらせられたり斯くて御上陸の際は海岸の両側に奉迎せる村民一同最敬禮をなしたり夫れより巡査部長以下奉護して校内の式塲に奉安し戸長岩間氏聖影下賜の旨を告げ教員之を拝戴して勅語を奉讀し次に總代人生徒等の祝詞あり前後(せご)君が代の唱歌を奏し、兩陛下の万歳を齋唱して式を了へ別室に於て生徒には赤飯を與へ来賓には酒肴の饗應をなせりと又た同日は村民何れも業を休み家々國旗を掲げたりと云ふ。
 
・十二月 椴法華村鱈豊漁となる。