大正十二年島泊の大火

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 大正十二年五月二日午前三時、島中村理髪店から出火したが、当時村内には少数の手動ポンプがあるのみで、折からの風に煽られ島現在の川森旅館から〓福永商店の付近までの両側一帯、三十六戸が焼失した。
 罹災者の家々では家財道具の搬出がやっとという状況であり、椴法華目抜きの商店街が焼野原と化し、村民に与えた衝撃はまことに大きなものがあった。
 火災の損害について、大正十二年五月四日の「函館新聞」は次のように記している。
 
    椴法華火災損害が八万円
      原因は七輪の火から
   去る三日の椴法華大火は既報の如くなるが同村より渡島支庁に報告ありたる詳報によれば、(中略)火傷者二名、打撲傷二名、何れも軽傷にして一週間以内に全快の見込なり、損害数量及価額建物住宅全焼二十二棟、三十三戸、物置全焼二棟、納屋全焼一棟、住宅破壊二棟、物置破壊一棟、総坪数二千七百坪其他、損害八万円、類焼中重なる建物、椴法華病院、〓旅館、川森旅館、宮本湯屋