根田内漁船の救助

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 明治四十二年四月十六日付「函館新聞」は、根田内漁船救助について次のように記している。
 
    漁船救助
   亀田郡尻岸内村字古武井根田内等の漁船六隻は去る十三日午前六時頃同所を発し、鰊漁業のため茅部郡落部村方面へ航行中、急速西南の強風と変じたるため、激浪甚しく、去れど六隻の内四隻は辛じて無事に字元椴法華に着船せしも、尻岸内古武井五十五番地、漁業丸一印斉藤吉五郎所有の持符(モジブ)船乗組工藤長五郎(二十八歳)外数名、同上洞海船乗組斉藤留吉(四十一歳)外五名の二隻は漸次沖合に吹き流されたれば、此の報に接したる椴法華村漁業川森安之助氏は雇入中の漁夫十三名並に同地鱈釣業者五人を督励し協力救助船三隻に分乘せしめ、探捜したる結果同日午後二時無事に救助することを得たり。