[あとがき]

 椴法華村は、江戸時代からへき地にありながら、日本一良質の鱈と昆布の獲れるところとして広く知られ、その頃から和人が入りこんで漁業に従事し、以来だんだんと定住する者が増え、現在の椴法華村へと発展したのであります。
 長い歴史をもつ本村には、従来歴史書というものはまったくなかったのですが、昭和五十一年九月、本村開基百周年記念として「椴法華村史年表」が発刊され、村民の皆様にいろいろなことに活用していただきましたが、村内有志の間から本格的な「椴法華村史」の発刊を要望する声があがってきたことを契機として、村議会の同意をいただいて村史を編集することが決定しました。
 昭和五十五年五月椴法華村史を刊行するため編さん審議会委員と編さん委員が委嘱されました。そして中心的な執筆者及び編さん委員として、現在、函館市立凌雲中学校小沼健太郎教諭を委嘱し、本格的に編さん業務が開始されました。
 小沼教諭は、教員として勤務のかたわら、史料収集、執筆に従事されましたが、村内には歴史を記述した古い資料は皆無に近い状況であり、函館、札幌の道内はもとより、青森県、宮城県、秋田県までも足をはこび史料を収集されました。小沼教諭の昼夜の別なく寝食を忘れての連日の執筆、編集作業ぶりには、心から感謝と敬意を表するものであります。小沼教諭の尽力なくしては「椴法華村史」の誕生はなかったと思います。
 また、先史時代を担当された千代 肇先生には、ご多忙中にもかかわらず本村の埋蔵遺跡をつぶさに調査をされて執筆くださいましたご労苦に対しましても深く感謝を申しあげます。
 さらに、教育編のうち「椴法華中学校の歩み」を執筆された故川口英三先生に対しまして深く感謝を申しあげますとともに、心からご冥福をお祈り申しあげます。
 この九年間、市立函館図書館、北海道行政資料課、北海道大学付属図書館、北海道立図書館をはじめ審議会委員、編さん委員、そして村民各位の助言と協力に対し深く感謝を申しあげる次第であります。
 発足以来、原稿浄書を担当された相沢新次郎氏は、不幸にも村史の発刊を見ることなく他界されたのは誠に残念であります。
 また、資料の整理や編集に関する全般の業務を担当し、並々ならぬ苦労をした川口 博課長補佐にも心から感謝と敬意を表します。
 終りになりましたが、村史編集業務に深いご理解と寛容なお心で温かく作業進行を見守ってくださいました鎌田村長、村議会、関係者各位に対しまして深甚なる謝意を表するものであります。
               椴法華村教育委員会教育長 田中 寛
 
椴法華村史審議会委員
会長 高橋与市(前議会議長)
副会長 佐々木菊雄(学識経験・議会議員)
委員 川口正(現議会議長)
 〃 石岡石英(前議会議員)
 〃 越崎盛(漁組々合長・議会議員)
 〃 佐々木孫一(教育委員長)
 〃 川島良三(小学校長)
 〃 梶谷康夫(中学校長)
旧委員 故川口与吉(学識経験者)
    故中村岩雄(学識経験者)
     大場充(元小学校長)
     日野進(元中学校長)
     中道昭(元小学校長)
     山柿三夫(前小学校長)
     松村泰作(前中学校長)
     坂本信雄(前教育委員長)
 
椴法華村史
平成元年五月十五日印刷
平成元年五月二十五日発行
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