南茅部町史の編集発行は、年来の町の懸案のひとつでした。古くは、明治四〇年に、元臼尻村戸長であった篠田順が、臼尻部長魚住要作の懇請により、臼尻沿革誌を編んでいました。
大正のはじめから昭和初期には、とくに郷土教育が盛んで、郷土誌の編著がありました。主なものを挙げると
書 名 編 著 名 発行年月 発行者
臼尻沿革誌(六〇丁) 篠田 順 明治40年10月 臼尻部落会
臼尻村郷土誌(八一丁) 森谷秀一郎 大正2年 臼尻村教育会
(尾札部村郷土誌 〈不詳〉 〈大正5年頃〉 尾札部村教育会)
函館支庁管内・町村誌(其五尾札部村・臼尻村・鹿部村)
渡島教育会 大正7年7月 渡島教育会
尾札部村郷土史年表(一二頁)小林 露竹 昭和10年10月 小林 露竹
南茅部町史料第一集「郷土の黎明」(三五頁)
小林 露竹 昭和37年10月 南茅部町教育委員会
南茅部町史年表(一二五頁)
小林 露竹 昭和42年9月 南茅部町教育委員会
南茅部町史料「木直二百年」(七六頁)
荒木 恵吾・吉田 栄一 昭和43年2月 木直町内会
のち、町教育委員会から森川不覚編「南茅部町の仏像」(昭和47)、千代肇編「南茅部町の先史」(昭和48)、宗像英雄編「南茅部町の植生」(昭和50)、佐々木建編「南茅部町の気象」(昭和50)などを発行しました。
昭和五三年七月、南茅部町の漁業開拓三百年記念事業が実施され、この終了とともに同年九月一四日、南茅部町史編集室が設置され、記念事業の資料整理に当たりました。
昭和五四年から町史編集(発行事業)が予算化され、四月二日、編纂審議会が設けられ、委員が委嘱されて会長には内藤米雄があたりました。
同年一月、庁内に編集委員が委嘱され、編集資料の協力ならびに一部執筆が分担されました。
昭和五五年五月、専門分野の執筆が委嘱されました。このうち、水産動物については、担当氏の急逝により共編できなくなりました。
町史編纂審議会委員
内藤米雄(昭和54~60)・徳田金蔵(昭和54、現)・安保健治(昭和54~59)・辻馨(昭和54~55)・井上隆信(昭和54~59)・三浦敏郎(昭和55~56)・平沼吉太郎(昭和56~57)・高田力(昭和57~58)・熊谷正一(昭和59、現)・森野政利(昭和59、現)。
町史編集委員
高坂藤吉(昭和55、現)・酒井鉄雄(昭和55、現)・佐藤貞弥(昭和55、現)・飯田満(昭和55~58)・熊谷哲三郎(昭和55~58)・細井徹(昭和59、現)・浅地弘一(昭和59、現)。
当初は万般にわたる地誌的な基礎資料もふくむことを考えていましたが、最終的には、漁業の町の漁業史料に主要頁数を当てることになりました。
玉稿をお寄せくださいました各執筆者に心から感謝をいたします。
ながい間、町史編集業務に深いご理解とご寛容をいただきました町長、町議会のみなさまに深く謝意を表します。
昭和六二年 三月
南茅部町史編集室長 荒木 恵吾
南茅部町史 上巻
昭和六二年三月一五日 印刷
昭和六二年三月二〇日 発行
編集 南茅部町史編集室
発行 南茅部町
北海道茅部郡南茅部町字川汲一五二〇
印刷 第一法規出版株式会社