(6)木直学校古部分校

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明治十五年 学校設立伺留   学務係                       (北海道所蔵)
学第三十七号伺済
 公立小学分校設立伺
一 分校位置     渡島茅部尾札部村支古部五番地
一 敷地坪数     弐百弐十弐坪 尾札部村支古部共有地
一 平家坪数     七坪半
   右現今新築ノ麁繪図及其費用ニ係ル村内集金寄附金等別冊ノ通
一 校名       木直学校古部分校
一 生徒       弐拾弐名
一 教師補助     壱名 但一名ニ付生徒四十(三十)名受持ノ見込
            教師補助ハ是マテ古部人民協議ヲ以テ同処書役雇置ク新潟縣越後國北蒲原郡中条町百三十六番地平民江口藤太郎(四十三年五ヶ月)ヲシテ教師ノ補助ニ充度見込ニテ本校教員時々巡回督視ノ積
一 書籍及器械
   右品名員数並代價別冊ノ通
一 学資出納概額
    常費概額    壱ヶ月 金二円七拾五銭
            壱ヶ年 金六拾九円
     内訳
     教師補助給料仝  仝三円
           仝  仝三十六円
     書籍新調及補理費仝  仝五十銭
             仝  仝六円
     営繕費    仝  仝壱円
            仝  仝十二円
     薪炭油費   仝  仝七拾五銭
            仝  仝九円
     雑 費    仝  仝五拾銭
            仝  仝六円
    収入概額    仝  仝六円
            仝  仝七十二円
     内訳
     生徒授業料  仝  仝 壱円
            仝  仝十六円 但生徒一名ニ付一ヶ月平均十銭
     寄附金
      右寄附金及人員等別冊ノ通
     村内集金   仝  仝五円
            仝  仝六十円
      右村内集金戸賦金別冊ノ通
  右出納差引一ヶ月 金廿五銭
       一ヶ年 金三円 残金ハ保護ノ為蓄積ノ筈
   前條之通当支村内協議之上教則校則等者
   御規則ヲ遵守設置仕度此段奉伺候也
              開拓使渡島茅部
               尾札部村支古部伍長
   明治十四年十二月〇四日    山川 善吉 印
               右村総代
                  小田原 幸作 印
               学務委員
                  今津 甚蔵
               戸長兼学務委員代理筆生
                  小笠原 長
             茅部郡長心得
               茅部山越郡書記 佐藤 宗正
 開拓大書記官時任為基殿
 
(朱書)第六十四号
 伺之趣聞届候事
      十五年二月十八日

[図]

 
   古部分校設置の企             (函館新聞 第六五三号/明治一五・三・二〇 金曜)
 分校設置の企(くはだて)  茅部郡木直ゟ二里許り距(へだた)る古部村ハ戸数僅かに十三戸に過ぎざる小村なるが是迄書役江口藤太郎なる人が家業の餘暇にハ児童(こども)を集めて習字等を教へし甲斐ありて蠢(しゅん)愚なる村民も少しく学事の如何を知り児童を委託する日に増して今ハ十二三名に及べりと之に因(よっ)て同村に分校を設けんと企て即ち昨年十一月中有志を募り醵金拾五円を以て書籍(しょじゃく)を函館に注文せしに豈料(あにはか)らん其書籍ハ悉皆(しっかい)暴風のため海波に沈めしが同人ハ猶も届せず再び集金し以て其筋へ設置の儀を伺ひ出でんとの見込なるよし学事に熱心なる実に感ずべし