①「瀬野八」ってどんなところだろう?
次の動画は、「瀬野八」を走る貨物列車と、普通の貨物列車です。
2つの動画をくらべて、ちがいを見つけましょう。
【資料】山陽本線の「瀬野八(せのはち)」を走行する上りの貨物列車の動画
(出典:作者撮影・編集)
動画をみると、貨物列車の先頭と一番後ろの2か所に機関車(きかんしゃ)がついているね。この貨物列車は「瀬野方面」から「八本松方面」に向かって走っているところだよ。
【資料】東海道本線を走行する貨物列車の動画
(出典:RAILWAYMOVIES)
動画の1分10秒から1分50秒までみてみよう。同じ貨物列車だけど、先頭だけに機関車がついているね。
なぜ「瀬野八」では、機関車が「うしろ」にも取り付けられているのでしょうか?
次の写真は何でしょうか?
【資料】坂の角度を表すマーク
これは「瀬野八」の坂の角度を表したひょうしきです。「22.6」という数字が書いてありますが、これは、1000m進むと22.6m登る(下る)という意味を表しています。
1000mでたったの22.6m?と思う人もいるかもしれないね。これはどのくらい急な坂なのだろう?
どれほど急な角度の坂なのでしょうか。
【資料】広島駅から瀬野駅と、瀬野駅から八本松駅のひかく
広島駅から瀬野駅は、約10キロメートルで約50m登ります。ところが、瀬野駅(標高50m)から八本松駅(標高255m)は、約10キロメートルで205mを一気に登ることになります。八本松駅は山陽本線で最も標高が高いところにある駅です。
【資料】八本松駅の標高を表すかん板(現在はありません)
(出典:生き続ける線路跡)
どうして坂の角度が重要なのでしょうか。
ふつう鉄道は1000mで25m登る坂の角度がげん界と言われています。それを考えると、瀬野八がいかに急な坂なのかわかりますね。
この区間では、登る時は力が足りず登りきれない、下る時はスピードが出すぎて止まりにくい、という苦労があります。このように、簡単に鉄道が走ることができない区間のことを「鉄道の難所(なんしょ)」と言います。
「瀬野八」は日本の「鉄道の難所(なんしょ)」として有名です。
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