夏季の平均気温の変化

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六月・七月・八月を夏季として、一九八〇年の月別平年値による夏季の平均気温は二〇・一℃、一九九〇年では二〇・二℃となっており、十年間で〇・一℃高くなっている。
 青森市における年平均気温の経年変化と五年間の移動平均値の変動から、夏の気温変動を次のように要約した(図61)。

図61 夏季の平均気温の変化

(イ)夏季気温の平年値(二〇・二℃)からの偏差が、プラスマイナス〇・五℃を臨界に冷夏・暑夏となる。平年差二℃以下では異常低温に対応し、冷害を受け大凶作になっている。

(ロ)大きくみると、一九五六年以前と以後で夏季気温の経年変動幅にかなりの違いがある。一九五六年以前は、年々の変動幅が大きく三℃台が出現し、約四℃が最大である。一九五六年以後の場合は、二℃台の出現もまれで最大が三℃で変動が小さい。

(ハ)一九五〇年代まで二五年前後の周期変動がみられたが、一九六〇年代からは変動が小さく不明瞭になっている。

(ニ)一八九五年~一九一三年と一九三一年~一九五四年の期間内には、変動幅の大きい冷夏が出現している。前者は明治凶作群に、後者は昭和初期の凶作群に対応している。これに対して、変動が小さく比較的安定した夏の出現期間は、一九一四年~一九三〇年、一九五五年~一九七九年にみられる。

(ホ)一九七七年以降はやや変動のある変化を示している。この期間における夏季平均気温は平年値(二〇・二℃)から平年差〇・五℃以下になっており、稲作作況指数九四以下の不作年が、六回発生している。

(ヘ)際立った低極年は次のとおりで、最低年は明治三十五年である。

 明治三十五年(一九〇二)、大正二年(一九一三)、昭和六年(一九三一)、昭和十六年(一九四一)、昭和二十年(一九四五)、および昭和二十九年(一九五四)。また図示されていないが、平成五年(一九九三)の夏期気温一八・三℃がある。これらの年は、夏季平均気温一八・三℃以下で、昭和二十九年が凶作であった以外は大凶作となっている。