曽我系図初代時廣についてはすでに述べたが、その実在は文書では確認できない。曽我系図(写真117)では時廣の子は「小五郎真光」とされる。実名「真光」では文書にあらわれないが、承久四年の「北条義時書下状」(史料五五三)に「曽我五郎次郎」の親父が「曽我小五郎」であるとみえ、貞応二年の「北条義時書下状」(史料五五四)では「曽我五郎次郎惟重」の親父が「曽我五郎」とみえるから、それらの年代からみて曽我系図の「小五郎真光」は「(小)五郎」「廣忠」(史料五五一)にあたることは間違いない。
写真117 曽我系図
曽我氏系図の復原