瓦の種類と生産量について

545 ~ 545 / 767ページ
の焼成は、その都度途に応じて種類や数量等が異なる。一種類数枚から、全体で六万数千枚という記録もある。平・敷平・塀平・丸・立・巴(ともえ)・唐草・角唐草・面戸(めんと)・鳥ぶすま・うつぼ・熨斗(のし)・御紋付鬼・鬼板など種々のが作られていた。これらの中で特に多いのは平と丸であるが、これらは使頻度が高く需要が多かったためである。
 製に必要な人員・工賃・燃料費等について、元禄十六年(一七〇三)二月二十五日条の記述をまとめると表35のようになる。
表35.製に必要な人員・工賃・燃料費等
総  数25,000枚  
総 経 費5貫638匁  



瓦職人2094人日2貫421匁  
役人・瓦職人7312人の賄代1貫385匁2分
手伝人足1045人の日当836匁  
流木2796本928匁9分
紙・筆・墨代7匁1分
太布・はり金・麻糸・その他諸色(品)代59匁8分
注)1貫は1000匁,1匁は10分。
人員は延べ人数。
当時米1俵(60kg)33匁5分。
なので粘土の費は含まれていない。