弘前分校の校舎は亀甲町旧藩倉廩(現「津軽藩ねぷた村」付近)を仮校舎に充て、専任教師は三人であった。予科の学科目は物理、地理、史学、算術、文法、本邦語学、化学、修身学、作文、商工農大意、養生法、経済大意の一二科である。『青森県師範学校沿革略史』を見ると、十年六月「弘前分校ニ附属小学校ヲ設ク」と記されているが、学校の位置、学年編成など一切不明である。おそらく師範学校弘前分校は、隣接する亀甲小学を附属小学校とする契約を結んだものであろう。さらに、弘前分校は、十三年に至って校舎を下白銀町の東奥義塾校地内の西側に移転したが、十七年(一八八四)十一月に廃止され、生徒は本校に移された。
写真58 弘前師範分校修業証書
(明治17年7月)