営業税廃止運動

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大正十一年(一九二二)に、弘前商工会議所において、県内の商工団体が集まり、営業税の廃止を求める決議を行った。その決定を陳情書としてまとめ、総理大臣、大蔵大臣、衆議院・貴族院議長に送った(弘前商工会議所編『弘前商工会議所五十年史』一九五八年による)。陳情書の内容は、営業税日清戦争の戦費を賄うために作られたものであるが、戦争の終了後も廃止されず、その負担は商工業者を困難にさせている。その課税方法も売上金額、資本金額、建物賃貸価格、営業者等の外形によるもので、担税能力に対応していないというものであった。この運動は全国的な運動の一環であり、護憲運動と密接な関係があり、大正三年から続けられた。
 集会が各地で開かれ、陳情書も多く出されたが、最終的には減税案が衆議院で否決され、営業税廃止の目的を達することはできなかった。