青森地方職業紹介事務局の調査では、昭和七年と九年の青森県出稼婦女子の推移は次のとおりである。
昭和七年 昭和九年十月現在
芸妓 四七五名 四〇五名
娼妓 五〇九名 八五〇名
酌婦 八三二名 一〇二四名
女給 九一七名 九四五名
女工 一一一八名 一四二七名
女中其他 一一〇三名 二四三二名
計 四九五四名 七〇八三名
出稼婦女子郡市別調 昭和九年十月十日現在
芸妓 娼妓 酌婦 女給 計
弘前市 四三 八〇 八六 一二四 三三三
中津軽郡 一七 五四 八一 八五 二三七
これらの出稼ぎ原因はほとんど経済的なもので、彼女らの前借り金は、芸妓は最高二〇〇〇円から最低二〇円で平均三七〇円、娼妓は三〇〇〇円から三〇円で平均八三〇円、酌婦は一五〇〇円から六〇円で平均三二五円だった。
写真92 当時の弘前の遊郭