政府は新聞紙上や回覧板などを活用して通牒を発し民心の安定に努めた。内務省では各庁府県宛に、進駐軍の不法行為を未然に防ぐよう、新聞などを駆使して呼びかけた。『東奥日報』は進駐軍による暴行六件、掠奪(りゃくだつ)そのほか不法行為三八件と報じ、九月五日これらの行為を未然に防ぐため内務省からの指示を掲載している。具体的な内容は以下のとおりである。
一、戸締を厳重にすること。
二、婦人の服装は更に厳格にすること。
三、不用不急の者は夜間外出せぬこと。殊に婦人は夜間少人数で歩かぬこと。
四、万一不法にも家宅に侵入された時は大声を出して救助を求めること。
六、隣組でお互に警戒すること。
八、時計、万年筆その他貴重品を目につく箇所に所持しないこと。
二、婦人の服装は更に厳格にすること。
三、不用不急の者は夜間外出せぬこと。殊に婦人は夜間少人数で歩かぬこと。
四、万一不法にも家宅に侵入された時は大声を出して救助を求めること。
五、不法将兵に対しては最後迄抵抗し、噛付くとか、引掻くとか、肩章をもぎとるとか証拠となるべきものを残すこと。
六、隣組でお互に警戒すること。
七、万一暴行掠奪などの行為を行つた際に決して泣寝入りせぬことゝ明確なる証拠を提示して、必ず届出ること。
八、時計、万年筆その他貴重品を目につく箇所に所持しないこと。
婦女子陵辱の事実があったからこそ、二や三をはじめ、女性たちに注意を促す条項が示されたのである。このほかにも進駐軍は平和進駐である旨、隣組や回覧板などで徹底するよう指示が出されている。