平成十二年弘前市総合計画の策定

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平成十二年(二〇〇〇)に至り、弘前市総合開発計画はさらに改められた。弘前市は平成三年に台風一九号の被害を受け、また、バブル経済が崩壊し、経済情勢が大きく変わった。また、県は平成九年(一九九七)に新青森県長期総合プランを策定した。この計画は、「県民一人ひとりが健やかないのちと心を育み、彩り豊かな暮らしを送ることができる青森県づくり」を目指した。また、国は平成十年(一九九八)に全国総合開発計画、二十一世紀の国土のグランドデザインを策定し、一極一軸型国土構造から多軸型の国土構造への転換を目標とした。こうした変化に対応した市の総合開発計画が策定されたのである。
 新しい計画では、市の将来像を三つ掲げ、それぞれの将来像の実現を推進する戦略プロジェクトを立てている。それらは次のものである。
 1.人と人とのふれあい推進プロジェクト
 これは、市の将来像のうちの「人とふれあい人が支えるまち」の実現に向けたものであり、以下の施策から成っている。①子供たちがのびのびと育つ環境の整備、②女性がきらめく環境の整備、③高齢者がいきいきと活動できる環境の整備、④障害者が安心して社会参加できる環境の整備、⑤誰もがボランティア活動に参加できる環境の整備、⑥人と人とのふれあいの場の整備、⑦地域づくり活動などへの支援
 2.産業連携推進プロジェクト
 これは、市の将来像のうちの「地域資源を活用した豊かな産業のまち」の実現に向けたものであり、以下の施策から成っている。①りんごにこだわった産業の推進、②地域資源循環型農業の確立、③弘前オフィス・アルカディア地区への企業立地の促進、④生ごみリサイクルシステムの推進、⑤環境学習の推進、⑥コンベンション誘致活動の強化
 3.資源循環推進プロジェクト
 これは、市の将来像のうちの「環境にやさしい自然と調和したまち」の実現に向けたものであり、以下の施策から成っている。①ごみの減量・資源化の推進、②市民のリサイクル活動の支援、③ISO一四〇〇一の認証取得、④生ごみリサイクルシステムの推進、⑤環境学習の推進
 このような戦略プロジェクト推進のために、市役所の全庁的な組織体制を整備し、市民とともにプロジェクトの推進を図っていくとしている。

図12 オフィス・アルカディア(イメージ図)