平成25年(2013)6月19日 G:瑞穂 R:ジョナソン・ホワイト(NZ)
No.529★291 第8回IRBパシフィック・ネーションズカップ 第3戦 カナダ代表戦 | ||||||
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2013年6月19日 G:瑞穂 R:ジョナソン・ホワイト(NZ) | ||||||
日本代表 | 16 | - | 13 | カナダ代表 | ||
1 | 長江 有祐(リコー) | 0 | 前 | 3 | 1 | ヒューバート・バイデンス |
2 | 堀江 翔太(パナソニック) | 16 | 後 | 10 | 2 | ライアン・ハミルトン |
3 | 畠山 健介(サントリー) | 3 | ジェイソン・マーシャル | |||
4 | ジャスティン・アイブズ(キヤノン) | 0 | T | 0 | 4 | ジョン・フェラン |
5 | 真壁 伸弥(サントリー) | 0 | G | 0 | 5 | ブレット・ブーカブーム |
6 | ヘンドリック・ツイ(サントリー) | 0 | PG | 1 | 6 | タイラー・アードロン |
7 | マイケル・ブロードハースト(リコー) | 0 | DG | 0 | 7 | ナニヤック・ダラ |
8 | 菊谷 崇(トヨタ) | C8 | アーロン・カーペンター | |||
9 | 田中 史朗(パナソニック) | 1 | T | 1 | 9 | ショーン・ホワイト |
10 | 立川 理道(クボタ) | 1 | G | 1 | 10 | リーアム・アンダーウッド |
11 | 福岡 堅樹(筑波大学) | 3 | PG | 1 | 11 | テイラー・ハリス |
12 | 田村 優(NEC) | 0 | DG | 0 | 12 | ニック・ブレヴィンズ |
13 | マレ・サウ(ヤマハ) | 13 | キアラン・ハーン | |||
C14 | 廣瀬 俊朗(東芝) | 10 | 反 | 7 | 14 | コーナー・ブレイド |
15 | 五郎丸 歩(ヤマハ) | 15 | ジェームス・プリチャード | |||
交代【日】藤田慶和(早大)⑪、伊藤鐘史(神鋼)⑤、日和佐篤(サントリー)⑨、三上正貴(東芝)①、山下裕史(神鋼)③、大野均(東芝)④、木津武士(神鋼)② 【カ】レイ・バークウィル②、アーロン・フラッグ⑧、マイケル・ファイレファウ⑪、パトリック・パーフリー⑩、アンドリュー・タイドマン③、キャム・ピアーズ④、トム・ドルゼル① | ||||||
得点:T五郎丸 G五郎丸 PG五郎丸3 |
日本代表はここまでPNCで3連勝(対米国16-9、対フィジー20-18、対トンガ36-27)し、優勝に王手のカナダに対し、攻守に成長した姿を見せ続けた。フィジー戦を彷彿とさせる激しい雨。試合開始早々に先制され、その後は守り切ってハーフタイムを迎えた展開も、そのフィジー戦と似ていた。違っていたのは、パフォーマンスの中身。特に、後半の40分間は常に自分たちのテンポでアタックするジャパンウェイを見せ続けた。「前半はブレイクダウンで苦戦したが、後半は厳しいコンディションの中、選手たちは素晴らしいラグビーを続けてくれた。ボールをよく動かしたし、スクラムもラインアウトも良かった。ブレイクダウンではなかなか難しかったが、重要なのは成長を続けて行くこと」試合後の記者会見で「今日の勝利は本当に嬉しい」と喜びを露わにしたジョーンズHCはそう振り返った。消極プレーに終始したフィジー戦と似たコンディション・展開だったからこそ、ウエールズに対する歴史的勝利を経たチームの成長ぶりが一層際立つことになった。「自分たちのテンポでプレーすれば、必ず相手はバテる。こんなチーム、世界にはない。フィジー戦に比べたら、足下もそこまで悪くないし、ボールを動かすことができた。日本にしか、こんなラグビーできない。それだけの練習をしているし、スキルもある」と語ったのは、日本が挙げた16点全てをひとりで叩き出したFB五郎丸歩バイスキャプテン。
その五郎丸が「自分の仕事を100%しただけ。全員が自分の仕事をしたからこそ、この試合に勝利すればPNCチャンピオンになれたカナダに、勝つことができた。(自分のトライも)FWが頑張ってくれたおかげ」と強調した。チームワークこそ最大の勝因であることは、激しい雨の中、駆けつけた熱心なファンも感じられたはずだ。象徴的だったのは、やはり後半22分の逆転トライシーン。自陣での相手ボールラインアウトでのターンオーバーを起点に、しっかり自分たちのシェイプを維持しながらフェイズを重ねて、最後はカナダDFが対応できなくなったところをCTBマレ・サウがブレイクして、フォローした五郎丸につなぎアタック完結。その後、26分にカナダがPGを決め13-13の同点に追いつかれ、過去2大会のワールドカップでの対戦を思い起こさせる展開となったが、11年大会主将のNo8菊谷崇バイスキャプテンが「同点なのはわかっていたが、ワールドカップのことは全く思い出さなかった。最後まで皆にエネルギーがあり、声も出ていた。絶対勝ち越せると思っていた」と胸を張った。
最後までジャパンウェイを貫き通した日本は、試合終了8分前に五郎丸が、この日3本目となるPGを決め、因縁の相手に決着をつけた。「この2試合で一番進歩したのはパフォーマンスの一貫性。特にスクラムが良くなった。今日はラインアウトも同じくらい良かった。厳しいコンディションの中で、一貫性のある安定したパフォーマンスをし続けることで、今日のような試合が可能になった」と、ジョーンズHC。もちろん、カナダに許した唯一のトライの原因となったキックオフなど、「まだ課題は山積み」(同HC)であることも確かだが、ウエールズ戦で圧倒的な存在感を見せたCTBクレイグ・ウィングがコンディション不良のため、急遽出番が回ってきたCTB田村優が「スーパーゲームをしてくれた」と同HCを喜ばすパフォーマンスを見せるなど、チーム力の底上げは確実に進んでいる。