平成27年(2015)7月29日 G:カナダ・トロント R:バスカル・ガウゼル(FRA)
No.551★313 第16回WRパシフィック・ネーションズカップ 第3戦 フィジー代表戦 | ||||||
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2015年7月29日 G:カナダ・トロント R:バスカル・ガウゼル(FRA) | ||||||
日本代表 | 22 | - | 27 | フィジー代表 | ||
1 | 稲垣 啓太(パナソニック) | 9 | 前 | 24 | 1 | キャンピージ・マアフ |
2 | 堀江 翔太(パナソニック) | 13 | 後 | 3 | 2 | タレマイトンガ・トゥアパティ |
3 | 山下 裕史(神鋼) | 3 | マナサ・サウロ | |||
4 | トンプソン ルーク(近鉄) | 0 | T | 3 | 4 | テヴィタ・ザヴンバティ |
5 | 伊藤 鐘史(神鋼) | 0 | G | 3 | 5 | レオネ・ナカラワ |
6 | マイケル・ブロードハースト(リコー) | 3 | PG | 1 | 6 | ドミニコ・ワンガニンブロトゥ |
C7 | リーチ マイケル(東芝) | 0 | DG | 0 | 7 | マラカイ・ラヴロ |
8 | ツイ ヘンドリック(サントリー) | C8 | アカプシ・ンゲラ | |||
9 | 田中 史朗(パナソニック) | 2 | T | 0 | 9 | ヘンリー・セニロリ |
10 | 立川 理道(クボタ) | 0 | G | 0 | 10 | ジョシュ・マタヴェシ |
11 | 福岡 堅樹(筑波大学) | 1 | PG | 1 | 11 | ナポリオニ・ナランガ |
12 | 田村 優(NEC) | 0 | DG | 0 | 12 | レパニ・ボティア |
13 | 松島 幸太朗(サントリー) | 13 | ヴェレニキ・ゴネヴァ | |||
14 | 山田 章仁(パナソニック) | 8 | 反 | 20 | 14 | メトゥイセラ・タレンブラ |
15 | 五郎丸 歩(ヤマハ) | 15 | キニ・ムリムリヴァル | |||
交代【日】小野晃征(サントリー)⑫、畠山健介(サントリー)③、大野均(東芝)⑤、藤田慶和(早大)⑪、平島久照(神鋼)①、アイブス ジャスティン(キヤノン)⑥ 【フ】イセイ・ゾラティ③、スニア・コト②、ニコラ・マタワル⑨、ペゼリ・ヤト⑦、ベン・ヴォラヴォラ⑮、ペニ・ラヴァイ⑮ シンビン=サウロ(フ) | ||||||
得点:Tツイ、山田、PG五郎丸4 |
キックオフから攻め込んだ日本はCTB田村優のDGこそ外れたが、直後にFB五郎丸のPGで先制(前半2分)。この先制点の基点がファーストスクラムだったように、「最初のスクラムでどっちが強いか判断する傾向のフランス人レフリーだったので、ワールドカップを意識して1本目からしっかり組もうと。良いイメージを与えられた。(レフリーを)味方につけることもできた」(PR稲垣啓太)というスクラム、そしてラインアウトは終始安定。「自分たちのボールも出せていたし、悪くなかった」(FLリーチ マイケルキャプテン)というブレイクダウンでも身体能力が高く腕力のあるフィジーに対して、しっかり戦えた。10分、16分と五郎丸がPGを加えて早くも9−0。ところが、この後「9点差になったところで安心してしまった。集中力の問題。」(リーチキャプテン)というゲームコントロール意識の問題から主導権を失ってしまう。18分にPGを返され9−3となった後、精度を欠いたキックからフィジーのカウンターアタック、LOテビタ・ザブンバティに走り切られトライ。続けて24分、27分と3連続でトライを奪われ9—27と大きくリードを許しハーフタイム。「キックが悪く、相手にチャンスを与えた。セットピースもラックもドミネートしていたのに判断に問題があった」(エディー・ジョーンズHC)。フィジー得意のアンストラクチャーな状況を作らないように試合を進めるゲームプランの遂行力の点で、3トライを喫した時間帯は確かに破綻していた。
それでも、セットピースでの優位を維持し続けた日本は、後半7分にWTB山田章仁、27分にNO8ヘンドリック・ツイがいずれも敵陣スクラムからトライを奪い、2本のゴールは外したが、FB五郎丸が12分にPGを加え、7点差に追い上げた。後半36分にモールを崩し、同39分にはスクラムでのコラプシングを続けて、フィジーFWに2人の退場者が出て、日本がいつ同点トライを奪ってもおかしくない状況が続いた。そして迎えたロスタイム。日本はフィジーゴール前でのPKチャンスに当然のごとくスクラムを選択。ここまでの攻防からも、日本がスクラムで押し切る、あるいはフィジーの反則でペナルティトライという流れが予想できたが、結末は意外な方向へ。
一瞬、組むタイミングが合わなかったように見えたセットの後、人数の少ないフィジーFWが逆に日本にプレッシャーをかけ、スクラムは安定を失い、たまらずNO8ツイがボールを持ち出す。さらに右、左と方向を変えながらもFWのピック&ゴーやダイレクトプレーでフィジーゴールに迫るが、最後に最も左タッチライン際に近づいたところでサポートが遅れ、フィジーディフェンスに絡まれて、ノットリリースザボールの反則。あと一歩のところで、4年ぶりのフィジー戦勝利は逃げて行った。