6 平成13-22年(2001-2010)度

 
 向井監督は箕内拓郎主将とがっちりとタッグを組んで、平成15年(2003)10月の第5回RWC(豪州)を目指した。アジア3国対抗で韓国、中華台北に勝ったが、来日のウエールズ代表に連敗した。トーナメントになったパシフィック・リムでは3位。来日のロシア代表に勝ち、平成14年(2002)6月~7月のRWC最終予選を兼ねたアジア3国対抗で韓国、中華台北を下して5回連続のRWC出場権を手中にした。第5回RWCでは、スコットランドフランスフィジーアメリカに敗れたが、内容のある戦い方で評価された。
 第5回RWCについて宿沢広朗強化委員長は、10月21日の朝日新聞朝刊に「大会の総括」として以下のように述べている。「期待以上に頑張ったが、一つも勝てなかったのは事実。勝てるチームを作れなかったのは残念。スピード、パワーがもう一段、上にいかないとW杯では厳しい。これまで、強化委員長と監督は一心同体のようなところがあった。4年ごとのぶつ切れでなく、長期的に展望のもと、勝てる監督を調査、獲得し、評価していく方向にシステムを変えたい。日本が目指すスタイルの基本ドリルを作り、ユースの次代から浸透させたい。トップリーグの日程も国際試合の流れに合わせて組みなおし、チームが選手を派遣しやすいような環境を整えることが必要だ」。
 平成16年(2004)度、萩本光威監督が就任、パシフィック・リムからスーパーパワーズに衣替えした大会でロシアカナダを破って優勝したが、平成17年(2005)度に初の外国人監督ジャン・ピエール・エリサルドに交代、エリサルドの解任[フランスのクラブコーチを兼任したため日本協会がこれを拒否]後、平成19年(2007)度に待望のジョン・カーワン長期政権が誕生して現在に至っている。カーワンは平成19年(2007)9月の第6回フランスRWCで、フィジーを31−35と追いつめ、カナダと12−12で引き分けて評価された。その後もパシフィック・ネーションズカップ[パシフィック・リムが発展した大会]を軸に、着々と日本代表をステップアップさせて、世界ランクを12位に押し上げた。平成23年(2011)9月の第7回RWC(NZ)に向けて、私は彼の手腕に大いに期待をしている。