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東蝦夷地の仮直轄

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 アイヌが居住している場所を越えての漁業権が、アイヌ相互の慣習であれ認められている間は問題はおこらなかった。ところが、前述したような東蝦夷地の仮直轄となり、シママップ川から千歳川をもって幕府領の境界としたので、イシカリ・ユウフツのアイヌの相互に所有していた入会漁業の場まで、かたや幕府領、かたや松前藩領と二つに線引きされてしまった。これにより、上ツイシカリシレマウカの所有するムイザリのウライの設定場所などは、一方的に直轄地に属することになった。