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その他の伝染病

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 この時期のコレラを除く伝染病には、腸チフス、発疹チフス、ジフテリア、赤痢、はしかなどがあった。このうち八年のはしかの流行では、予防のため学校を一時休校にするなどの措置がとられた(開拓使公文録 道文六〇五二)。なんといってもコレラほどではないが致死率の高い腸チフス、発疹チフス、ジフテリアの流行は、防疫体制がまだ整っていない札幌において多くの犠牲者を出している。『開拓使事業報告』によると、十二年より十四年にいたる札幌郡(現札幌市域と江別市、広島町の一部を含む)のこれらの伝染病による患者数と死亡者数は表20のとおりであった。
表-20 伝染病(コレラを除く)患者数及び死亡者数
病 名明治12年明治13年明治14年
患者数死亡者患者数死亡者患者数死亡者
腸チフス24 13 62 17 34 3
発疹チフス6 4 23 5 12 2
ジフテリア36 17 45 9
開拓使事業報告』第4編より作成。