開拓使および札幌県はそれぞれ幼稚園の設置を企図したが、成功しなかった。最初に幼稚園を設立したのは、スミス女学校を設立した米人スミスで、同女学校開設の翌月、すなわち二十年九月に付属幼稚園を設立し、たちまち二〇人の定員が満員となった。二十一年に米国伝道会社から建築費の送付を受け、二階建の園舎を建て、二十三年には四三人が在園したが、その後漸減し二十七年に園児の募集を打ち切った。
　もう一つは札幌区が計画したもので、二十一年八月に開園式を挙げた。二十五年の大火を機会に、札幌女子小学校附属としたが、三十二年三月に廃園し、同時に私立幼稚園を新設する動きがあったが、実現はしなかった。