明治三十九年十月一日、以前から進められていた鉄道国有化の第一着手として、北海道炭礦鉄道は甲武鉄道とともに買収されて、鉄道事業は同日に札幌鉄道作業局出張所を廃止してできた北海道鉄道作業局出張所に引き継がれた。この炭礦鉄道の国有化の動きは、三十五年十二月に炭礦俱楽部大会の決議として上がっている(北タイ 明35・12・20)。また北海道協会でも国有化の問題について、第一八議会に建白及び建議しようする(北タイ 明36・1・16)。そのための参考資料が北海タイムス紙上に掲載されている(明36・2・14~15)。そして六月には鉄道同志会に属する代議士会では、桂総理大臣ら当局大臣らに炭礦鉄道国有を建議することにした(北タイ 明36・6・7)など、すでに様々な動きがあった。