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予は如何にして社会主義者となりし乎

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 竹内余所次郎社会主義者となった理由を『週刊平民新聞』に次のように書いている。
  予は如何にして社会主義者となりし乎
余は
(第一)貧家に生れ世に出でしも常に貧困と戦ひし事、
(第二)僅に口を糊するだけの給料を得て或役所に嘱を奉ぜし際、米価騰貴の為め郷里に許多の困窮者出来たりとの報を読みて、一友人と共に郷里に帰り貧民の北海道移住を企てんと云ひ出し、親戚知人に笑はれしと云ふが如き貧者に同情を寄する傾向の余が心にありし事、
(第三)平民主義、自由民権主義の渇仰者となり貴族君主など云ふものゝ大嫌ひとなりし事、
(第四)基督教を信じて博愛を学びし事等よりして、自然に新聞雑誌等に現はるゝ社会問題に関する記事論説に興味を感じて社会主義を知り始め、福井準造氏著『近世社会主義』によりて其梗概を学び、爾後深く之を信ずるに至れり

(平民新聞 明37・2・7)


 前田英吉は、長期にわたって書き続けた「幸福ノ生涯」と題する自伝を残しており、キリスト教入信について詳しく記録しているが、社会主義者となった理由については書いていない。竹内余所次郎は「幸福ノ生涯」によせた序文のなかで、「基督教、禁酒会、理想団、社会主義是レ皆君ノ進ンデ取リシノ主義ニシテ」と書いている。