区内の寺院の中で最初に大規模な婦人会組織となったのは、西本願寺別院が主催した札幌婦人教会である。同会は「仏教の真理に基き婦人の徳性を涵養」し、あわせて女子に必要な裁縫、編物、押絵、活花、茶湯、女礼式などの技能を教授する目的で設立され(北タイ 明31・8・30)、三十一年九月一日に島地黙雷を迎え発会式を行っている。同会では毎月講話会の開催、日曜日ごとに技能教授を行う札幌日曜学校の開講、春秋の彼岸会には展覧会を開くなどの諸活動を行い、三十三年度の会員は六〇〇人にも達していた。四十年十一月には日曜女学校が新たに建設されたが、四十三年の生徒は一六〇数名を数えていた。このように、札幌婦人教会は区内の婦人会でも最も活発な活動をみせており、その活動はいまなお継承されている。
次に婦人会がつくられたのは日蓮宗の村雲婦人会である。四十一年八月三十日に経王寺では瑞龍寺門跡の村雲日栄を迎えて、同会札幌支部発会式が行われた。総会員は一三五人であり、日曜学校の女生徒は一五〇人であった。
続いて大谷派では、四十二年八月十二日に東本願寺別院にて大谷派婦人法話会札幌支部が創設され、九月四日に東本願寺法主の大谷光演の来札にあわせて発会式を挙げた。会員は一〇〇〇人を超えており、毎月十二日に講話会を開き、四十四年三月から生花・茶道の教授を始めている。
曹洞宗では、中央寺に四十四年四月三日に吉祥婦人会が創設となり、日曜日に生花、裁縫、女礼式などの講習を行っていた。