札幌都市計画公園は、昭和十七年三月三十一日内務大臣湯沢三千男から認可の閣議が申請された(公文雑纂 都市計画13 巻122 昭17)。同日内閣認可をうけ、五月十四日内務省から北海道庁と札幌市役所での図面の縦覧が告示された(内務省告示第三三五号 官報第四六〇〇号 昭17・5・14)。同時に、札幌市長が事業執行する二公園と道庁長官が事業執行する一公園の都市計画公園事業とその執行年度割も内務省から告示された(内務省告示第三三六号、同第三三七号 官報同前)。
決定理由としては「札幌市ハ近時市勢ノ進展著シキモノアルニ拘ハラズ公園施設トシテ之迄円山、中島及大通ノ三市営公園ノミニシテ市民ノ保健、慰楽休養ノ施設トシテハ甚ダ不充分ナルヲ以テ」都市計画公園として、美香保公園、豊平公園、白石公園の三カ所を決定したとする。
そして札幌には「市民ノ保健休養ノ為ノ公園施設ハ僅カニ中島、円山両公園」だけであるとし、「平素ハ之ヲ公園トシ有事ノ際ハ防空広場トシテ利用スル為」に美香保、豊平両公園を都市計画事業として決定し、札幌市長が執行するとした。また「市民ノ保健、慰楽、休養ノ為ノ公園施設ハ益々緊要ト為レルヲ以テ」白石公園を都市計画事業として決定し、財政の状況ゆえに北海道庁長官が執行するとした(公文雑纂、内務省告示第三三五~三三八号 官報同前)。その後十八年になって、都市計画街路事業と同様に都市計画事業とその執行年度割が変更されて、事業は延長された(内務省告示第二七〇号 官報第四八九三号 昭18・5・8)。
その後十八年三月三十日、また内務大臣湯沢三千男から内閣総理大臣東条英機へ琴似公園、伏籠公園の都市計画公園として認可の閣議を申請した。その理由書には、「札幌市ハ輓近市制ノ伸展顕著ナルモノアルニ鑑ミ本市ノ防衛ニ将又住民ノ保健施設ノ完備ハ喫緊ノ事ニシテ」前年の三公園に加え琴似公園と伏籠公園を決定したとする。この公園事業と執行年度割は、同様に認可が申請された。そして執行者は札幌市長となっている(公文雑纂 都市計画13 巻149 昭18)。これは三月三十一日に認可され、北海道庁と札幌市役所での図面の縦覧が内務省から告示された(内務省告示第二七一号 官報第四八九三号 昭18・5・8)。