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上水道敷設計画

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 新聞に報道された設計概要から水道計画を見てみる。当時の札幌市の現在人口二二万人への給水を標準としている。一人一日最大給水量〇・一三九立方メートル、防火用水用として毎分一・六七立方メートルを放水できる。その施設概要は次のようになる。
水源を豊平川とし、札幌藻岩村大字山鼻村字白川に於ける取水口より上山鼻の水槽迄約一万九百メートル(六千間)は北海水力電気株式会社の発電水路と共用し、本設計の導水路は水槽に起り導水渠及破圧池を経て、札幌市西南市郡界藻岩山麓に沿ひ山鼻村字伏見の浄水場に至る。浄水場には薬品沈殿池、急速濾過池及配水池を設置し、其より自然流下に依り市内に配水するものとす

 これらの主な工事は、導水工事(導水渠、破圧池及び吸水管)、浄水場工事(敷地三万五五八二平方メートル、薬品沈殿池、急速濾過池、配水池を設置)、配水管工事(総延長二一二キロメートル。配水池から出た配水本管は南一九条通を西一一丁目に至り北折して山鼻小学校付近で行啓通を東へ向かい、七丁目で北折直進して鉄道線路を横断し、大学前通を経て北一八条に至る。途中豊平、苗穂及び桑園の各本線を分岐し、なお大小の支線はほとんど各条丁において本管から分かれて全市に給水する)で、総工費予算二四四万五〇〇〇円、財源は国庫補助及び市債による。昭和九年三月に起工して十二年三月竣工予定である(北タイ 昭9・6・24)。