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民営バスの買収

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 前述のように札幌乗合自動車会社は順次路線を延長していった。この路線延長は、札幌市営の電車・バスと競合するようになった。そのため市営電車やバスの赤字経営の大きな要因となった。
 七年三月の市会で、札幌市電気事業費の七年度予算の説明の中で「バス路線ノ統制ヲ計リ、其ノ円満ナル発達ニ資スルノ要、切ナルモノアルヲ以テ、茲ニ一歩ヲ進メ、民間乗合自動車買収ヲ調査計画スルノ要ヲ認メ、別ニ案ヲ具シ各位ノ協賛ヲ仰キタリ」と説明し、バス会社買収へ向けて動き出した。そのために電気軌道委員規定を設定し、委員を選出した(昭和七年第一回札幌市会会議録)。二十八日委員会の初会合があり、青バス買収が満場一致で決定した(北タイ 昭7・3・29)。五月二十四日の第二回委員会では、青バスの資産評価を行った。そこで買収の評価については電車の時の轍を踏まないように、市長案を示さず、委員らが独自で調査決定して、市長案と突き合わせて最終案とすることにした(北タイ 昭7・5・24)。
 当初の買収委員会の価格案は八万円で、会社側は二三万六〇〇〇円を提示した。その後市側からは一二万八〇〇〇円、一七万一〇〇〇円というように価格を順次上げて提示した。この価格の提示の仕方を新聞では「夜店の素見値段」(素見=冷やかし、見るだけで買わない)と酷評している(北タイ 昭7・12・8)。十二月の市会では、「札幌乗合自動車株式会社ノ事業及物件譲受ノ件」とそれに関連して起債の条例とバス路線追加の議案が提出された。この質疑の中で、会社買収後の競争会社の出現は、道庁警察部当局の方針もあり心配のないこと、路線の全部と延長予定路線の譲り受けの条件や会社の解散の約束もしていることが、上京中の橋本市長に代わって関崎助役から表明された(昭和七年第三四回札幌市会会議録)。
 十二月十六日、買収価格一七万円余で、事業とそれに伴う権利及営業設備物件の一切を買収する仮契約が成立し、八年三月二十六日、会社の事業と物件の引継を終了した。買収した路線は、北四西四札幌駅前~札幌村役場経由~北三東一五省線雁来踏切、北三東一三苗穂駅前~省線雁来踏切経由~札幌刑務所前、北四西四―五番舘前~北一西三~中島橋~南一四西十三札幌工業学校横、北一西四~北一西一三~南一四西一三札幌工業学校横、南大通西三~南大通西二~北四東一鉄道病院横、南大通西四~南一西二今井呉服店横、北四西四札幌駅前~北八西四~北一六東一~北八東一帝国製麻会社横、北一四西四~北一四西五大学病院通用門前、南一四西一三札幌工業学校横~八垂別八号沢入口、北一西一三~上手稲右股左股分岐点の一〇路線で、延長三三・七六キロメートルであった(第六回電気軌道事業成績調書札幌市電気局)。

写真-7 昭和12年頃の札幌駅前バス停