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無線電信の開設

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 これまで通信は有線電信または電話で行われていたが、国際船舶航路の発達や航空事業の開始により、無線通信も発達してきた。道内では、明治四十一年にアメリカ航路のために落石無線電信局が設置されている(北海道無線史)。札幌では大正十年、軽川に設置されていた陸軍の石狩無線電信所があった。しかしこの施設は昭和四年、軍事上の必要性に薄く設備が旧式であったため、陸軍省では逓信省への移管を申し入れたが、受け入れられず閉鎖された(北タイ 昭4・4・5、5・29)。
 大正十二年からは札幌鉄道局が無線電話の試験を始め、関東大震災の様子を詳しく伝えたため、その価値が評価された(北タイ 大12・8・1、11・5)。十四年になると北海タイムス社楼上での試験が行われるようになった(北タイ 大14・2・14)。昭和二年には一般電報を短波無線で送信しはじめた(北タイ 昭2・5・11)。その後国内航空路線が札幌までのびることになり、無電局が札幌に設置されることになった。札幌飛行場に札幌無線電信局烈々布無線送信所新琴似無線受信所を設置し、十四年四月開局した(北タイ 昭10・10・10、11・11・25夕、13・12・15、北海道無線史)。