昭和四十二年十二月一日札幌市は『道央新産業都市における札幌建設六年計画』を改定した『札幌市建設五年計画』を発表した(道新　昭42・12・2)。
　改定の基本的な考え方は、「既に執行した40・41年度のものを除外した残り事業を基本にして新規事業を積み上げることとし、既存6年計画の目標年次であった昭和45年度を1年延長して46年度とした」。そして近い将来百万都市の実現とオリンピック開催都市として国際的にはずかしくない都市施設を整備することとともに札幌市の将来の飛躍的な発展のもととなることを目標とした。さらにそのために札幌市が直接実施すべき事業を中心に、国・道・公社・公団・その他民間等に期待する事業をも合わせた基本計画となっているとしている。さらに長期的方針としては、昭和四十年に改定した都市計画、さらに四十一年から発足した札幌圏広域都市計画協議会による広域都市計画を基本として各種事業計画を策定した。例えば昭和六十年の総人口は一四五万人とし、工業出荷額は四十一年の一三〇〇億円に対し昭和六十年には三五〇〇億円を目標としている(札幌建設五年計画)。
　五年計画の事業の総額は、国や道などに希望する分を含め六〇二二億円余となり、道路等輸送施設の整備、用地造成及び住宅建設、水道及び下水道等の整備、電力・ガス供給施設整備、環境衛生・医療及び社会福祉施設整備、公園・オリンピック・その他スポーツ及び観光施設整備、文教施設整備、産業振興事業、市庁舎等、その他の事業の一〇項目に分類している(同前)。北海道新聞では、それぞれの項目を解説する際、総てを公社公団や民間などに期待している電力・ガス供給施設以外の項目について、項目毎の特徴を示すため、各項目に次のような見出しを付けている。

　そして北海道新聞では、『五輪のマチづくり』と題してこの『札幌建設五年計画』を一三回の連載で詳しく紹介・吟味している(道新　昭42・12・2～19)。市民やマスコミなどの関心が先の新産業都市適用の時よりも大きいことがうかがえる。
　五年計画の道路関係を一部紹介すると、札幌市施行分には、街路の改良・舗装として白石駅前通(白石通～中の島通)、東八丁目通(北一条通～栄町)、平岸通(南九条通～真駒内駅)、北二四条通(環状通～北三条通)、北一条通(山手通～神宮裏)ほか二三路線、一般市道の舗装が八七路線と不特定路線の一七一キロメートル、砂利道の新設改良が四三路線と不特定路線の二〇六キロメートル、橋梁の新設三一橋と架換一一六橋、歩道や歩道橋などの交通安全施設整備、市道の拡幅除雪一二〇〇キロメートルと運搬除雪二〇〇キロメートルなどの道路除雪が計画されている(札幌建設五年計画)。(国道と道道については表2参照)