表-22 昭和21年札幌市域における組合生産(経営)管理闘争 |
組合名 | 組合代表者 | 参加組合員数 | 上開始年月日 下解除年月日 | 組合側の要求事項 |
金子鉄工場 従業員組合 | 柴田泰一郎 | 40 余人 | 21年 2月 7日 2月14日 | 解雇者復職,賃金本給20割値上げ,物価手当100円・家族手当20円・通勤手当実費支給,有給休暇実施,食糧・作業衣確保,工場経営参加,団体協約承認,8時間労働制実施など12項目 |
手稲鉱山 労働組合 | 三上三次郎 | 1,000 余人 | 21年 2月11日 2月22日 | 標準賃金値上げ(坑内18円・坑外15円),賃金査定の合議,公休日出勤2倍支給,悪徳幹部退陣,不良労務者解雇,団体協約確立,退職手当10倍増額,凶作見舞金会社負担,有給生理休暇即時実施,公傷者本賃金支給,応召者家族手当支給,罷業中賃金支給,経営参加ほか |
北海道新聞社 従業員組合 | 新谷虎之助 | 1,300 余人 | 21年 2月21日 3月14日 | 社内民主化(団体協約締結・経営協議会設置),収入3倍引上げ(本俸10割増,臨時・物価・世帯・燃料・食事・住宅手当支給),飢餓突破資金(1,000円+家族1人300円・独身者500円)支給,重役総退陣 |
三越札幌支店 従業員組合 | 加藤弼四郎 | 130 余人 | 21年 4月17日 5月 4日 | 賃金本俸10割値上げ,物価手当(家族持ち200円・独身者100円等)・家族手当100円・独身者燃料住宅手当,飢餓突破資金(1,000円+家族1人300円ほか)等支給,団体協約,有給生理休暇,店内民主化 |
松橋精機 労働組合 | 藤村房枝 | 120 人 | 21年 6月13日 7月 4日 | 工場閉鎖反対・即時操業再開,経営協議会設置,反動分子5人追放 |
北光精機従業 員労働組合 | 長浜好太郎 | 87 人 | 21年 8月 2日 22年 1月28日 | 会社経営方針の明示,団体協約即時締結,飢餓突破資金1人500円支給,家族手当本人含め100円・独身者200円支給 |
北海道自動車 販売(株)従業 員組合総連合 | (不明) | 247 人 | 21年10月 4日 10月10日 | 会社分離独立に当たり全従業員完全雇用実施,家族手当を除く収入12割増額,会社組織変更時特別賞与支給,労働協約即時締結 |
『北海道新聞』,『資料北海道労働運動史』(終戦―講和),『労働争議調整事件集録』,ほっかい新報社史料刊行委員会『北海赤旗・トラクター・北海新報―復刻縮刷版』,『北海道新聞三十年史』,北海道新聞労組『わが三十年史』より作成。 表記載のほかに,帝国石油北海道鉱業所管内の札幌・北見・厚真・石狩各事業所従業員組合で結成した北海道帝国石油従業員組合連合(330人)が,18項目の待遇改善要求で昭和21年3月31日から5月21日まで経営管理を実施した。 |
重役総退陣を要求に掲げた道新従組の経営管理は、新聞単一の提唱で日本労働組合総同盟(総同盟)に対抗し東京で開催された、全日本産業別労働組合会議(産別会議)準備会に合わせて決議し(道新 昭21・2・22)、一カ月後に組合の全面勝利で終結する。しかし、争議中から組織が混乱して組合再編が行われた手稲鉱山労組と同様、ここでも争議解決後、共産党員主導の組合幹部らへの反発から組織分裂寸前の危機に直面し(道新労組 わが三十年史)、大幅な組織再編後、さらに後述の「五三名事件」に波及していった。