対日米国教育使節団報告書は、教員の現職教育についても勧告していた。在職中の教員が新教育を理解するために協議と訓練の機会が必要であり、その訓練計画を作成して各種の方法で実施せよというのである。戦時中に養成された教員は、勤労動員のため満足な教育を受けられず、学力が低下していた。昭和二十一、二年度には北海道第一師範学校などで卒業生再教育講習会が開催されている。また正規な免許をもたない無資格教員も多数いたため、各種の講習会も開催された。
新制中学校が設置されると、教員不足はさらに進んだ。道教育部では資格認定講習会の計画を道教育会に依頼し、北教組とも折衝にあたった。二十三年度には、第一次分として三四カ所、第二次分として一〇〇カ所で講習会を開催した(北海道教育史 戦後編二の二)。
二十四年五月三十一日に教育職員免許法が公布され、十一月に「施行規則」が施行された。これをうけて二十五年七月一日から、北海道学芸大学と北海道大学教育学部などで、新免許状への切り替え、無資格教員の資格取得のための免許法認定講習会が開始された。北教組は、受講者に対する旅費手当について道教委と協約を結び、これに参加した。このような講習会は、これ以降も継続的に行われた。なお、教員の再講習と関連して、二十三年九月から、教育委員会の教育長や指導主事を養成するための「教育長等講習」(IFEL)も全国的に行われた。北海道からは、二十七年にかけての八期に、延べ三八四人が参加した(文部省 教育指導者講習小史)。