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仏教団体の活動

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 北海道仏教連合会は戦後間もなく発足していたが、昭和二十三年七月十二日に「過去の業績と将来の使命について検討した結果、発展的解消」をし(昭24道年鑑)、各宗派単位の活動を基礎とした新組織に移行していた。同会では機関紙『北海仏教』を発行すると共に力を入れていたのが、札幌仏教連合会の呼びかけによる北海道大学法文学部への仏教学講座の開設であった。二十四年から講座開設と仏教図書寄贈の募金運動を開始し、二十六年四月に北大仏教講座期成会が結成されている。この運動の結果、二十六年度には印度哲学学科に仏教学講座が開設となり、多数の図書も寄贈となっていた。北大では献金による「印度哲学講座充実資金」をもとに、約一〇年間、仏教学の講師を招聘し、関係図書を購入していた(北大百年史 部局史 昭55)。
 以上の運動は主に真宗大谷派と本願寺派が中心となっていたが、両派は提携して二十二年から夏期講習会を開催し、講師に東京、京都の仏教学者を招いていた。また、二十三年七月十二日に両派共催で宗教討論会を開いている。これには二千人の聴衆が集まり、仏教、キリスト教の講師によって「宗教と生活」をテーマに討論され、討論会の実況も札幌放送局から全道放送されていた。
 仏教団体も含めた宗教団体の組織として北海道宗教連盟があった。同連盟は札幌市が二十八年八月に、市内の宗教法人(神社一二、神道教会一〇、寺院八六、キリスト教会二三、天理教教会三九)に対し、宗教施設を除いた建物に固定資産税を課税したことに反対して結成されていた。札幌市の宗教法人への課税は、全国に先駆けての初の課税であり、他の市町村でもみならう動きもあった。宗教団体ではこれを宗教活動を圧迫するものとして、二十八年十二月十八日に連盟を結成し、自治省など政府へのはたらきかけを行っていた。自治省では次官通達をもって非課税が正当であることを通達し、これによって札幌市も宗教法人への課税を撤回し、この問題も収まっていた。その後、連盟では宗教委員会を設け、刑務所の教誨師(きょうかいし)派遣なども行っていた。
 市内の寺院を糾合(きゅうごう)した組織に札幌仏教連合会があり、主に五月の釈迦の誕生会の花祭りを主催していた。市内をパレードする華やかな稚児行列が人気を集め、二十四年からは札幌花まつり奉賛会も組織され、聖所巡拝競争など各種の行事も加わり盛大化していた。