昭和六十三年度にスタートした第三次長総第一次五年計画の進捗率は八五パーセントに達した(十八期小史)。また障害者福祉、高齢者福祉、除雪、廃棄物処理など、住民生活に関わる新たな課題が生じ、地下鉄や国保の赤字も大きな懸案として浮上していた。さらにバブル経済の崩壊による不況への対応も求められており、札幌市は第一次五年計画を四年で打ち切って、平成四年度を初年度とする第二次五年計画を策定した。
第二次五年計画は「躍動都市さっぽろ」を掲げ、①市民生活の充実(身体障害者福祉工場整備・児童福祉総合センター建設、「雪さっぽろ21計画」、幹線道路・パークアンドライド駐車場整備など)、②高齢化対策の充実(老人福祉センター建設、特養老人ホーム・ケアハウス等の整備)、③豊かな市民文化の創造と潤いのある街づくり(音楽専用ホール、生涯学習総合センターの建設、芸術の森第三期工事など)、④健やかに暮らせる街づくり(健康づくり推進事業、健康づくりセンター・コミュニティドームの建設など)、⑤経済の活性化(世界貿易センタービル構想の推進、新規工業団地の造成、観光イベント推進事業、札幌里づくり事業など)、⑥国際化・情報化の推進(国際ゾーン構想の推進、JICA国際研修センターの誘致、国際プラザの充実など)、⑦環境保全対策の推進(下水道の高度処理、都市緑化、新発寒および第五清掃工場建設、分別ごみ細分化収集モデル事業、リサイクル団地の造成など)、⑧広域行政の推進(広域交通基盤の整備、札幌複合交流圏推進事業)、の八つの重点計画を打ち出した。またこの重点計画と別に、市営交通事業の再建を「本市最大の課題」と位置づけ、地下鉄需要喚起施策の計画化に全力をあげて取り組むとした。総事業費は一兆八七〇〇億円(前計画比一二五・六パーセント)であった(第三次札幌市長期総合計画第二次五年計画)。