松代案内 43 金剛樹山 開善寺
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金剛樹山 開善寺(こんごうじゅざん かいぜんじ)
宗派/真言宗智山派、本尊/地蔵菩薩
元和(げんな)八年(一六二二)、真田信之の松代移封の際に、房山(上田市)にあった海善寺(海禅寺)を、松代に移した。その後、海野村(現東御市)の白鳥神社を松代に分社した折、海善寺を別当寺とし伽藍を建立、その名も開善寺と改めた。慶安二年(一六四九)、藩は寺領五十石を朱印地として安堵し、松代藩主の祈願寺として手厚く庇護(ひご)。寛保(かんぽう)二年(一七四二)、千曲川大洪水で城が冠水した時は、藩主の避難所ともなった。
開善寺経蔵(県宝)は、万治三年(一六六〇)の建立。大仙院風岳春山大禅尼(信之の娘)が祈願、天海版一切経六三二三巻を納める。方六.四m、主屋周囲に裳階(もこし/廂・差掛)をめぐらせた一重の茅葺き方形造り(現銅版葺き)で、内部は一室空間の板敷き。中央に八角形の輪蔵(回転するように作られた経典の収蔵棚)があるが、現在、堂内に入って輪蔵を回すことは出来ない。春はしだれ桜が秋は紅葉の彩りか美しい。