小林一茶の生涯

おらが春
長野郷土史研究会 小林一郎

 小林一茶(1763~1827)は、江戸時代後期を代表する俳人です。一茶の生まれた柏原(長野県上水内郡信濃町柏原)は、北国街道の宿場で、信州北部の豪雪地帯にありました。3歳の時母を失い、継母との折り合いが悪かったこともあって、15歳で江戸に奉公に出ました。
 その間に俳諧を学んだらしく、25歳ころから葛飾派の俳人として活動を開始しました。30歳から36歳までは、上方・九州・四国などを行脚して研鑚を積みました。江戸に帰ってからは、江戸を拠点に上総・下総・安房(千葉県・茨城県)などの俳諧愛好者の間を巡る生活をし、次第に独自の俳風を確立していきました。
 一方、39歳で父を亡くしてからは、しばしば帰省して弟と遺産分配交渉を続けました。それが解決して、50歳で郷里柏原に定住し、晩年まで北信濃の門人たちを巡って指導する生活を送りました。52歳でと結婚し、3男1女をもうけましたが、それぞれ早世し、も世を去るなど、家庭的には恵まれませんでした。65歳の時、柏原に大火があって自宅を焼失し、焼け残った土蔵の中で没しました。没後、3度目のに娘が生まれています。