亀田川の東側には鈴蘭丘面、中野町面、日吉町段丘、函館段丘、住吉町段丘が分布するのに対し、亀田川の西側にはこれらの段丘に対比される扇状地や段丘が存在する。
鈴蘭丘面と中野町面に相当するものには古火山性扇状地があり、日吉町段丘に対比される段丘の上には新火山性扇状地が乗っている。
蒜沢(にんにくざわ)川左岸の173.4メートル三角点の乗る緩斜面、その東にある131.7メートル三角点の乗る緩斜面、また、亀田川右岸の180~160メートルに傾斜変換線を有する緩斜面は、いずれも古火山性扇状地に相当し、これらを切って七飯、大中山、大川、桔梗、赤川等の新火山性扇状地が分布している。これら新火山性扇状地は、西桔梗遺跡が見出された29.1メートル三角点が乗る平坦面や、桔梗駅の西にあって25.8メートル三角点が乗る平坦面で示されるような日吉町段丘の上に乗り、やや傾斜した面をなしている。新火山性扇状地は日吉町段丘を覆っているので、時代的にはやや後となるが大差のない時代に形成されたと思われる。すなわち、新火山性扇状地が直接沖積地に接している所においても小崖が見出されるところから、新火山性扇状地は洪積世に形成されたものと思われる。 このように、ほぼ亀田川を境にして東西で異なった地形をなしているのは、中の沢に見られるように、段丘礫層をはさんで下部に軽石流、上部に岩屑(せつ)流が乗る(大矢 中村 1969)ことと、南東から北西に高度を増して行った増傾斜運動の影響とが考えられる。