目次
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通説編第1巻 第3編 古代・中世・近世
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第2章 松前藩政下の箱館
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第4節 宝暦・天明期の流通構造
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1 江戸系商人の進出と経済変化
流通構造の変化
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かくて宝暦・天明期には、新興商人の成長と、
近江商人
による流通独占体制の崩壊というなかで、松前~
大坂
、松前~
江戸
間交易の発達を促し、新たな流通機構が形成された。そしてこのことは、
箱館
の経済的動向にも少なからざる影響を与えた。これらの大手商人は
箱館
に進出したわけではなく、大部分が松前に出店を設けた。そのため場所産物の多くは松前に直送されるのを通例とし、その限りにおいては、
蝦夷地
産物の集荷地という性格も松前に比し、
箱館
はまだまだ弱かったといわなければならない。