流通構造の変化

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 かくて宝暦・天明期には、新興商人の成長と、近江商人による流通独占体制の崩壊というなかで、松前~大坂、松前~江戸間交易の発達を促し、新たな流通機構が形成された。そしてこのことは、箱館の経済的動向にも少なからざる影響を与えた。これらの大手商人は箱館に進出したわけではなく、大部分が松前に出店を設けた。そのため場所産物の多くは松前に直送されるのを通例とし、その限りにおいては、蝦夷地産物の集荷地という性格も松前に比し、箱館はまだまだ弱かったといわなければならない。