円空・空念の渡来

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河野政通の供養碑(称名寺境内)と「円空仏」 根崎町川濯神社蔵(渋谷道夫撮影)

 寛文年間に渡来し、各地に木彫仏を残したことで有名な円空が、函館地方に来とする積極的な資料を持たないが(称名寺円空仏は近年の搬入である)、下海岸戸井町や根崎の川濯神社で、円空仏が発見されているから、あるいは通過したのかもしれない。
 根崎川濯神社円空仏は、昭和50年8月29日、たまたま絵馬の調査のため同社を訪れた、函館工業高等専門学校渋谷道夫助教授によって発見されたもので、像の全長44センチメートル、表面はかなり摩減しているが、衣紋や体の線、更に、1本の木を半分に割り、鉈(なた)で削って彫り上げた円空特有の作風である。これまでに渡島管内では所々に発見されているが、函館で発見されたのは、これが始めてである。
 また、宝永元(1704)年に渡来して、道南の寺社に納経して歩いた越前の禅僧空念は、同年4月亀田に来て、称名寺高龍寺に経を納めた。市立函館図書館には『正光空念納経記』が蔵されている。