[儀礼伝承の定着と混合]

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 津軽海峡域の民俗の特色は、前述したとおり青森県の民俗をベースとした本州の民俗事象の混合であるといえるが、安政年間に町年寄蛯子七左衛門箱館奉行に対して提出した「箱館風俗書」並びに、その後に杉浦嘉七が書き著したとされる「附箱館月次風俗補拾」(『函館市史』史料編第一巻)によって当時の年中行事をみてみると、本州の年中行事と大きな差異はなく、青森県でおこなわれているネブタや祭礼との共通性が見受けられる。

図4・8・4 子ムタ祭之図(『奥民図彙』青森県立図書館)