目次
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第四章 生活と民俗の地域的展開
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第八節 津軽海峡域における民俗の特色
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二 儀礼伝承の定着と混合
[儀礼伝承の定着と混合]
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津軽海峡域の民俗の特色は、前述したとおり青森県の民俗をベースとした本州の民俗事象の混合であるといえるが、安政年間に
町年寄
の
蛯子七左衛門
が
箱館奉行
に対して提出した「
箱館風俗書
」並びに、その後に
杉浦嘉七
が書き著したとされる「附
箱館
月次風俗補拾」(『函館市史』史料編第一巻)によって当時の年中行事をみてみると、本州の年中行事と大きな差異はなく、青森県でおこなわれているネブタや祭礼との共通性が見受けられる。
図4・8・4 子ムタ祭之図(『奥民図彙』青森県立図書館)